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夏こそメリノウール Armadillo Merino 何故特殊部隊が採用するのか
Tamura 2019/7/3
暑い時期となりました。
表題にあります「メリノウール」、暖かいイメージが強いため、冬季に着用されている方を多く見かけます。
弊社では「Armadillo Merino」という「NASA」や「英国特殊部隊SAS」等に採用されている、メリノウール製のアパレルを取り扱っておりますが、私は同メーカーのTシャツや下着を、一年中ほぼ毎日着用しております。(今日も着ています・・・)
ペンキ塗りの時も・・・(2019年6月)
コンビニでも・・・(2019年3月)
子守の際も・・・(2018年12月)
外食時も・・・(2018年10月)
ストレッチ時も・・・(2018年10月)
北海道でも・・・(2018年9月)
出張訓練でも・・・(2018年8月)
私生活でも・・・(2018年7月)
この様に、1年中、ずっと着ています(笑
着用していない日は、おそらく年に10日も無いと思います。
何故ならば、総合性能がずば抜けて高く、一年中快適に過ごせるからです。
そして、実はコストパフォーマンスも良いからです。
「自分が本当に好きなものだからオススメしたい!」
と云う事で、
今回はメリノウールの魅力や、何故精鋭部隊であるSASや米軍等がArmadillo Merinoを採用するのか、その理由をお伝えしたいと思います^ ^
長文になりますことご容赦くださいmm
Armadillo Merino製品は こちら から
1 Armadillo Merinoの魅力
第一に天然素材であり、防臭(雑菌の繁殖を抑える)・防炎(燃え広がらず炭化する)・温度湿度調整機能が備わっている、超高性能繊維であることです。
ここで特に大切なのが、天然素材であることです。
・天然素材の利点
化学繊維の場合、その多くは薬剤を使用して様々な機能を付加させます。
従いまして、ある程度高価(7,000〜10,000円程度)なスポーツウェアの多くにも、防臭効果等が備わっております。
しかしこの性能は、洗濯5〜10回で無くなるものが大半を占めます。
現在弊社では戦闘服を開発しているため、つい先日、様々な生地のプロフェショナルにお話を伺いました。
その際、
田村
「有名なスポーツウェアメーカーの化学繊維、とても性能は良いのですが、洗濯10回程度で機能が無くなってしまっては意味が無いと思います。なんとかならないのですか?」
とお聞きしたところ、
生地のプロ
「基本的にはどうにもなりません。
10回持つのは良い方で、普通は5回程度で効果は失われてゆきます。
元々機能の無いものに、無理やり薬剤を使用して付加しているので、洗濯をすると機能は無くなってしまうのです。
つまり、メーカー側としては、使い捨てを前提に作っています。
数着お買い上げ頂いて、ワンシーズン持てば良い。来年は新型を買ってください。という考えで販売をしているのです。」
その様な内容の話を聞き、天然素材の大きな利点を再確認致しました。
メリノウールは繊維そのものの性能が良いので、私自身、数着のArmadillo Merinoを毎日のように着まわしておりますが、1年以上経っても性能が落ちた感覚は一切ありません。
・コストパフォーマンス
Armadillo Merinoは、Tシャツやポロシャツ1着が15,000円〜25,000円程度と、かなり高級なアパレルメーカーです。しかし、前述の通り、薬剤による効果は、洗濯により失われます。長く着ることを考えた場合は、圧倒的にウールに分があると思います。
ただし、そんなウールにも弱点があります。天然素材であるため、体に優しい反面、虫のご馳走でもあるため、着終わったら洗濯をしてから保管しないと虫食いをされやすいです。
メリノウールは雑菌の繁殖を抑えるため、数日間着用しても快適です。それゆえに、洗濯をしなくてもいいや、、、という気持ちになるかもしれませんが、着用後は表示に従った洗濯をした後に保管して下さい。
保管さえ気を付ければ、長く機能を維持できるため、圧倒的なコストパフォーマンスを誇ります。
・何故、他のメリノウール製品に比べ、Armadillo Merinoは高価なのか?
これについては、私が最初に持った疑問です。
メリノウールのTシャツは、幾つもの有名なスポーツメーカーが出しています。
その価格は、安いものでは4,000円位のものもあります。
何故、これほどまでに価格に差があるのか?
メリノウールの専門家にお聞きしたところ、
「そもそも生地の質が違う」
という答えでした。
同じメリノウールでもその性能は大きく異なり、それは、羊の育った環境、飼育方法によることが原因でした。
詳しくお話を聞かせて頂いたのですが、大きな原因は、羊が育つ環境と健康管理の問題でした。
・飼育環境
悪い環境では、『乾季など時期によって』又は『飼育面積に対して頭数が多すぎる』ことが原因で羊の食料である草が足らなくなり、栄養不足になります。
良い環境では、気候に順応した牧草管理により、1年中安定して草が生えていること、そして、一定の広さに適正に頭数を制限しているため栄養失調になりません。
・ストレスフリー対策
一頭あたり充分な広さを与え、雨風を避けるシェルターや水場を確保し、毛刈りは授乳に影響の無いよう出産前に行うなどの「ストレスフリー対策」により、心身共に健康で、毛並みが良く高品質なメリノウールになります。
栄養不足であったり、ストレスがかかった羊は、毛並みが悪く疎らで切れやすい悪いメリノウールになります。
従いまして、愛情を持って丁寧に育てられた羊と、そうでない羊では、同じメリノウールでも、その性能に大きな差が生まれます。
良いメリノウールは、手間とコストがかかり、限られた量しか生産できません。それらが価格に反映されております。
Armadillo Merinoは、宇宙飛行士や特殊部隊、消防士等のプロのためのアパレルメーカーであるため、メリノウールの中でも特に品質の高い『ZQ』のメリノウールが採用されております。
※ ZQ
生産者はそのZQの理念に沿って、動物愛護や環境保護、社会的持続可能性の各分野で定められた認定基準をクリアーし、「目的にかなった」最高品質の繊維を提供することに真摯に取り組んでいます。
羊の肛門付近にハエの幼虫が寄生するのを防ぐため、お尻周りの皮をはぐミュールジングという行為をZQは全面的に禁止しています。
人の手で丁寧に選ばれた繊維はトレーサビリティがあり、徹底した品質管理で最高級の天然素材として世界のトップブランドに届けられます。
また、Armadillo Merinoの最高品質製品であるエリートモデルの「ショートスリーブポロシャツ」、「COBRAショートスリーブクルーネック」はメリノウール100%かつ繊維の細さが17.5マイクロンの超高品質ウールを使用されており、最上級の「メリノウルトラファイン」と定義されています。
ショートスリーブポロシャツ
COBRAショートスリーブクルーネック
その他製品も、ZQメリノ100%、18.5マイクロンの「メリノエクストラファイン」です。(靴下のみ強度向上のため異素材を合わせています)
こういった、原料が高価であるが故の価格差であります。
2 何故、精鋭部隊が採用するか
(1)溶けない
近年、熱で溶けると滴り落ち、皮膚に張り付く石油化学系の繊維によって多くの軍服が作られております。
熱および直接火に曝されたとき、石油化学系の繊維は溶け、張り付いた際に激しい痛みを伴い、重度の火傷による後遺症および死亡の可能性を高めます。
メリノウールが同様の条件に曝された場合、溶けるようなことはありません。元々熱や火に強い繊維でありますが、最悪の場合でも溶けることなく炭化しますので火傷によるリスクを最小限に抑えることが可能です。
(2)雑菌繁殖を防ぐ
長期間の任務で「洗濯できない」・「着替えが行えない」際も、快適に着用できます。
私もテストのため、数日間洗濯をせずに着用してみましたが、雑菌の繁殖による臭いは出ませんでした。
(3)高い透湿性
野外活動で大敵の汗冷えが起こりにくい繊維です。
汗を素早く吸収し、蒸気として発散します。
(4)保温性が高い
熱を外に逃がさず、肌と繊維の間に留める機能があります。
着用して直ぐに暖かくなり、持続力が高いので冬山等でも活躍します。
(5)夏でも快適に着れる
生地が厚いものは冬に向いておりますが、薄いものや織り方によっては、夏も快適に着ることができます。
平米あたりの重量が120〜140g前後は夏、150g前後のものはオールシーズン、200〜260gは冬、概ねこのように考えて頂ければ間違いないと思います。
例えば、Armadillo merinoの場合、ELITE 『POLO ショートスリーブポロ』や『COBRA ショートスリーブ クルーネック』は145g/m2であり、夏でも快適に着用できます。
(COBRA ショートスリーブ クルーネック)
また、「HAWK」「FALCON」「CONDOR」は195/m2と少し厚めの生地ですが、オープンリブニットから作られており、あらゆる気候に対応します。
法執行機関、ミリタリー向け製品であり、1年中対応しますので、迷ったらこの3種類がオススメです。
酷暑の際は熱と汗をより早く体から遠ざけ、乾燥させ、冷たく保ちます。
極寒の際は断熱材としてArmadillo Merino繊維が働き、暖かい空気の層を作り、必要な暖気を閉じ込めます。これらのモデルは、体に密着するようなタイトなサイズを選ぶことにより、優れたベースレイヤーとして機能します。
HAWK
FALCON
CONDOR
上述致しましたとおり、
・1年中快適に着ることができるため、身体のポテンシャルを最大限に維持できること。
・雑菌の繁殖を抑えるため、長期任務に適していること。
・熱に強いため、火傷のリスクを抑えられること
これらが、英国特殊部隊SASやNASA、米軍やSWAT等に採用された大きな理由と思います。
非常に高価な製品ではありますが、それに見合うだけの性能と、長期間着用できるコストパフォーマスは素晴らしいものと思います。
女性用も各種各色、取り揃えております(^ ^)
プレゼントとしても、とても喜ばれる製品と思います。
是非一度Armadillo Merinoをお試し下さい。
ご注文は こちら から
長文にお付合い下さり有難うございました。
後日改めて、お手入れ方法等について書こうと思っております(^ ^)
オマケ
最高の下着です! (特に気に入っている製品の一つです)
■ 田村装備開発 最新訓練動画 ■
・田村装備開発 株式会社 講師
代表取締役 社長 元埼玉県警察 警備部 RATS 田村 忠嗣
訓練教育部 部長 元陸上自衛隊 特殊作戦群 長田 賢治
顧問 元埼玉県警察 警視長 警備部長 齊藤 譲治
・招聘講師
元海上自衛隊 特別警備隊(SBU)先任小隊長 伊藤祐靖 氏
元フランス外国人部隊 野田 力 氏
元フランス外国人部隊 結城 健司 氏
田村装備開発 本社訓練のお申し込みは こちら から
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訓練の詳細・お申込は こちら から
日本国籍を有した健康な方であれば、官民に関わらずどなたでもご参加頂けます。
田村装備開発(株)
商品HP http://tamurasoubi.co.jp
訓練HP http://www.tamurasoubi-training.com
T-MOUT HP http://t-mout.com
本社 埼玉県東松山市大谷4453
この記事を書いた人
田村装備開発(株)の田村です。
当ブログでは、装備品に限らず、危機管理対策や時事問題など様々な分野について書いていこうと思います。
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