“メリノウール”とは、何世紀にもわたり交配と改良を繰り返した結果、衣料に最適な、羊におけるもっとも細いウール(20ミクロン以下) を産する純血種を指します。その飼育量の大半はオーストラリアが占めますが、オーストラリアが平坦な乾燥大陸なのに対し、大地の起伏が激しく、適度な降雨がもたらされるニュージーランドは牧羊環境に適しており、良質なメリノウールを産出するといわれます。Waipouaは、そんなニュージーランド産の希少なメリノウールを贅沢に用いたウエアなのです。メリノウールの持つ特性はさまざまですが、最大の利点は「汗冷えしない」ということです。運動時に激しい汗をかいても、ウロコ状の“スケール(表皮部) ”の優れた「吸湿性」で、湿気を効率よく繊維内部に吸収します。ですが、繊維の表面は“クリンプ” の「撥水性」により汗をはじき、ウエアがびっしょり濡れることも、身体にベタベタと密着することもなく、常にサラッとした着心地が持続するのです。
しかし、単に肌触りがいいだけではありません。発汗が停止すると、高い「発散性」により汗は蒸発していきすが、メリノウールの場合は汗との接触面が少ないため、体温が奪われ、体調を崩す原因にもなる“ヒートロス”が少なく済むのです 。また、バクテリアを抑える機能もあり、汗に対する「消臭性」も発揮します。クリンプはスプリング状にちぢれているので、繊維同士が複雑に絡み合い、理想の断熱材である“空気”を抱え込みます。その空気の壁により、外気の寒さ、暑さをハネ返す。これが高い「断熱性」の秘密です。そのちぢれは「弾力性」「伸縮性」にも繋がり、スケールはホコリが付着する原因である静電気を抑え、汚れをはじく「抗菌性」の高さも発揮してくれます。化学繊維とは一線を画す「難燃性」もメリノウールならではの特徴です。